◆この町の路地には石畳がよく似合う。小駄良川の橋の周辺の景観は、まるで絵葉書に描かれたイラストのよう。石垣の上の家並みと言い、しだれ柳の枝振りと言い、俗っぽささえ感じさせるほどぴたりとハマっている。偶然の産物だとすれば、それはそれで面白い調和だ。火曜サスペンス劇場なら、けっこう良いシーンが撮れそう。ちなみに柳の下の祠は、「宗祇水」という湧水を祀ったもの。
岐阜に向かう帰りのバスの車中で、パラパラと「おもだか家」で買った詩集をめくり、読む。おばあさんお奨めの本だが、作者の女性の喜び悲しみ苦しみが、吐息のように綴られている。どの土地で生きても、やはり苦楽はあるんだね。こんな土産が、たまにはあっても良い。「ふるさと道」と題されたその小さな本が、これからも郡上八幡の風景を、いつまでも思い出させてくれるだろう…。 |