◆京都寺町今出川から、若狭の小浜までは二十五里(約98キロメートル)。二つの地点を若狭街道が結んでいる。昔から若狭の海でとれた鯖は、塩をふられ、この山間の道を通って京や奈良へと運ばれた。小浜は、都との深いつながりの中で栄えてきた、古い歴史を持つ街なのだ。そう言えば、あのとろけるように美味い奈良の柿の葉寿司の鯖は、ここから運ばれたものなのだろうか。
秋の柔らかな日差しが、土壁を鮮やかな色に照らしている。上品だが、華やかで暗い過去を持つ老婆。そんなイメージの小浜の街を代表するような古い住居だ。人が住んでいるようには見えないのが、ちょっと気がかりだが…。ま、ここで心配してもしょうがないか。
「海のある奈良」、やっぱり泣かせるフレーズだなあ。 |