◆陽が射してきた寺町界隈をひとり歩くと、全身が汗ばんでくる。驚くのは、どの寺もあでやかな桜の古木を持っていること。それも、真っ盛りの花びらを、これ見よがしに枝に散りばめた桜ばかりだ。それらの花の色が、モノトーンの構図の中で、妙に艶めかしく見えるのはなぜだろう。
それにしても、この町で出会う北陸の女性達は、誰もみな気さくで親切だ。これも人徳のせいなのか。やはり旅先で道を尋ねるのは、女性に限る。
最後に、市立の歴史民俗資料館に入り展示を観る。一巡りし、ミュージアムショップで土産物を物色していると、なんとお店の女性が御茶を点て、「けんけら」という名産の御菓子と共に出してくれた。うーん、美味! おまけに相手は妙齢の美人。ああ、もういつ死んでもいい。この嬉しい想い出と、つい買ってしまった「けんけら」を土産に、この後、爽やかに大野を離れたのだった。 |