[S氏像]
1999年
33.3×45.5センチ/
デッサン紙に木炭


隣の家のおじさんだが、僕が美術学校にいってたころから肖像を描く約束をしていた。

約束はかろうじて果たせたが、去年のお彼岸に亡くなった。
近年、セザンヌのサントビクトワール山の連作のごとく続けている縦の構図の近景に、いつでも三角の屋根があるが、その家の主だった人だ。
三角の屋根を描くとき、ただの三角形ではなく、たいがい、その屋の住人の肖像になっている……僕の意識のなかでは。