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その20.おぼろ月夜に、ワオーーーン!(2000.5.11)
菜のはーな畑に、入りー日うすれー、か・・・。思い出すなあ、わしが子供だった頃、兄貴はコモドドラゴンで弟はドコモだった。わっかるかなあ、わかんねえだろうなあ。
なーんて、懐かしいギャグから始めてしまったが、分からない人ごめんなさい。いまの歌は「おぼろ月夜」という唱歌じゃが、本当に夕空にぼんやりと
月の霞む季節になったなあ。いいもんじゃ。日本人にしか理解できない、詩情のようなものを感じられる情景だね。ああ、乳母日傘で育ったあの頃が懐かしい、ワォーーン。おっと、月に吠えるのは狼男だったか。
ところで月と言えば人類にとって、昔から神秘的なものとして崇拝の対象になり、暦としても利用されてきたな。新月から次の新月までをひと月として、それをだいたい12回繰り返すと1年というわけだ。イスラム諸国の国旗はみな三日月をシンボルとしているし、わが国でも戦国時代の山中鹿之助が信仰したというが・・・なに、知らない? まあ、ええよ。とにかく、太陽の光ともまた違うあの神秘的な冷たい輝きや、一定の周期で満ち欠けを繰り返す不思議さが、太古から人類を畏れさせてきたんじゃね。
月は直径3476キロメートル、地球からの距離が平均38万4400キロメートルの衛星じゃ。まあ、地球のただ一人の弟分といったところだ。表面のあばた、つまりクレーターは、隕石が激突して出来たと考えられておるな。地球から観るとこのあばたが、いろんな模様に見える。わしの小さな頃は、ウサギが餅をついているなどと言ったものだが、月の模様をウサギにたとえる民族は意外と多いよ。ヨーロッパ、インド、モンゴル、アメリカインディアン
など、多岐にわたっておるな。もっとも、餅をついているかどうかは別じゃがね。
月にまつわる伝説は世界中にあるそうだが、中でも狼男の伝説は有名じゃな。狼が出没したことのある地域ではどこでも、満月の夜に狼に変身した男(女)が、家畜や人間を襲って食べるというコワーイ話が伝えられておるそうな。ブルブル。これは、月の光の下で遠吠えを合図に集まり猟をする狼の習性と、人類が大昔から持つ彼らへの畏怖の感情が、合わさった結果かも知れんなあ。もっとも人間だって、満月の夜には殺人事件や交通事故が激増する、という研究報告もあるそうだから、こっちの方がもっとコワーイ話じゃよ、ああ。
月の引力が人間の肉体や精神に大きな影響をあたえる、というバイオタイド理論なるものが世の中にはあるね。海の水の満潮・干潮を引き起こす月の引力が、わしらの体の中にも同じ様な作用を起こすという話だ。そう驚きなさんな。なにしろ、80パーセントが水分で出来ている人間の体だもの、そう言われればそうかも知れないよ。ほれ、満月の日に出産が多いという話もあるぞ。なに、キミはいつも月末になると、無性に銀行に行きたくなる? それはね、きっとお金を使いすぎるから。
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