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その102.花粉は今日も舞っている(2005.3.26)
いつ何どき誰の挑戦でも受けると言ったのはアントニオ猪木じゃが、いつ何どきどこで起きるか分からないのが地震じゃね。少し前に新潟に大きな奴が来たと思ったら、今度は福岡・佐賀だもんなあ。地震列島・日本とはいうものの、こう大きいのが続いて予想もしない場所で起きると、何だか怖いねえ。もっとも、戦々恐々と暮らしていても逃げ場のないのが地震だから、こうなったら開き直って生きるしかないかな、お酒でも楽しみながらさ。肴には、ナマズの白身の天ぷらなんかどうじゃろう。
 しかしこの春、もっと戦々恐々としているのが花粉の被害者じゃないのかな。何というても今年のスギ・ヒノキの花粉量は、観測史上最大になるといわれておるよ。恐ろしいねえ。これは昨夏の猛暑のおかげで、スギ・ヒノキの花の芽がスクスクと成長したためでな、くしゃみ・鼻水・鼻づまり、おまけにムズムズ目のかゆみと、花粉症患者にとってはまさに地獄のシーズンの到来じゃ。まあ、スギやヒノキをせっせと植林した人たちに悪気はなかったんじゃろうが、こうなると患者側も恨み言の二つや三つは言いたくなるわなあ。こんな日本に誰がした。いやはや、花粉症もいよいよ国民病といっても良いかも知れんな。ハ〜クショイ!

そんなわけで世間ではいま花粉対策として、史上最大の作戦が展開されておる。じゃが、じつは根本的な解決となるような予防法は、いまのところないんだね。いちばん良いのは引き籠もりになって、部屋にカギをかけ一歩も外に出ないことなんじゃろうが、まあそんなわけにはいかんわな。ゲームばかりやってても、飽きるもんな。だから外出する際は、マスク・メガネ・帽子などを着用して、花粉が目や鼻に付かないよう注意をする。また、帰宅時には洋服や髪の毛についた花粉をよく払い落としてから家の中に入り、うがい・手洗い・洗顔を忘れない、なんてのが最低限の予防法となる。…これって、放射能対策かい?
 いやはやえらいことじゃが、花粉症はいったん罹ってしまえば自然に治ることはほとんどない。だから早めに治療を始めることが、症状を軽減する大きなカギになるんじゃね。早い時期から「抗アレルギー薬」や「点鼻薬」で治療を開始し、シーズン中でも継続すれば、花粉がドサッと来ても症状が軽くてすむそうじゃ。重症になってから慌てて治療しても遅いんだね、やっぱり。

まあ、日本人の10人に1人は花粉症と言われておるが、そもそもこの病気、わしらが子供の時分はあんまり聞いたこともなかったな。いったい全体、最近になってグングン患者の数が増えてきたのは、どうしてなんじゃろうな。その原因はハッキリしないんじゃが、最近のさまざまな研究から次のようなことが考えられておる。
 その一、昭和30年代に盛んに植林されたスギが樹齢30年を超え、花を多くつけるようになった。さらに、価値の低下により手入れをされなくなった杉林の枝が伸び放題となって、花粉の飛ぶ量が増えた。その二、サッシの普及などで住居の気密性が高まった結果、ダニやハウスダストが増加し、アレルギー体質の人が増えた。その三、日本人の食生活が欧米化し、肉などのたんぱく質の摂取が増えて、アレルギー反応を高める結果になった。その四、車の排気ガス中のディーゼル排出微粒子が原因となって、空気中の花粉が変質した。その五、ストレスで現代人の自律神経の調節が乱れ、花粉症の症状が出やすくなった。その六、…なに、聞いてるだけで鼻がムズムズしてきたから、もういいって? そういえばそうだわな。

とにかくそんなわけで現代病・花粉症は、様々な要素が重なって増加の一途をたどっておる。原因が単純でないだけに、簡単に解決することは難しそうじゃね。かといって、全国のスギが老木になって花粉を出さなくなるまで待ってたら、キミらもすっかり爺さん婆さんだもんなあ。え、スギ去りし時間を返せ? 親父ギャグはやめなさいって〜の。
 そうこうしているうちに、花粉は今日も日本列島を舞っておる。つまり、スギ・ヒノキ以外にもブタクサやヨモギなど、様々な植物の花粉が一年中キミの周りを飛んでいるってこと。ジタバタしてもしょうがないんじゃ。だから、現代人が心掛けることは、栄養のバランスの良い食事と睡眠を十分にとり、ストレスをためないようにし、普段から皮膚を鍛えるってことじゃね。どんな治療薬よりもまず体調管理がいちばんなんじゃ。妙なスナック菓子ばかり食って夜更かししてるキミ、分かったかな。なに、そういうお前の深酒も体に良くないだろうって? 大丈夫、わしの好きな日本酒は杉樽に入っているから、スギ花粉の免疫になるんじゃよ。