その103.人生いろいろ、日本一もいろいろだ!(2005.6.3)
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◆♪う〜のはな〜の匂う垣根に、か。いやあこの季節になると、子供の頃小学校で習ったこんな唱歌を思い出すね。そしてこの季節は、新茶のうまい時期でもあるわな。先日も近くのスーパーのお茶売場の前を通り掛かったら、新茶の試飲サービスをやっておってな、さっそくわしも一杯貰って飲んだんじゃが、香りが良くて美味しかったね。静岡の産だというとったが、さすが茶所の新茶は味が違うと感心したよ。なに、買ったのかって? 何をいうとる、ああいうものは一杯だけ飲むから、有難味があってうまいんじゃよ。また飲みたかったら、どこかのお茶屋さんで試飲すればいいずら。
しかし、静岡のお茶だというんで試しにその日、うちに帰ってネットで調べてみたんじゃ。総務省統計局のサイトで、平成13〜15年平均の家計調査品目別データってやつをな。そしたら都道府県庁所在市別ランキングで、緑茶の1世帯当たり年間の購入金額が日本一多いのが、やっぱり静岡市。2位の松江市や3位の京都市に倍の差を付けてのダントツじゃから、さすが名実ともに茶所ということだね。そういえば新幹線の車窓から見ると、静岡辺りはきれいに刈り込んだ茶畑がずいぶん多いもんなあ。あれ、わしにはどうもスティービー・ワンダーの、例のヘアスタイルに見えてしょうがないんだよね。
◆ところでこの調査、各都市のいろんな消費の違いなどが見えて、実に興味深いな。たとえば緑茶の購入は静岡市がトップだとして、これが紅茶になると話はまるで変わり、1位が神戸市に2位が横浜市とビッグな港湾都市が上位を占める。やっぱりあちらのひとは英国風に格好良く、ティータイムを楽しんだりするんじゃろうかの。なんだかエレガントな感じじゃん、港町って。
え、じゃあお酒のトップはどこの都市だ? まあ、そう身を乗り出しなさんな。これはもうはっきり、1位の秋田市に2位の新潟市から5位の山形市まで、東北・北陸などの雪国勢が独占しておるね。う〜ん、しばれる夜にはやっぱり熱燗ってことかい? ちなみに、豆腐の購入が多いのも1位の盛岡市をはじめ、4位までを東北・北陸勢で固めておるから、なんか北国の人は湯豆腐で一杯が好きなのかね? もっとも、これが焼酎となると話はガラリと違ってな、トップの宮崎市に2位の鹿児島市、ついで熊本市に5位が大分市と九州の都市が独占たい。北と南でこうも歴然とお酒の嗜好が変わるんだから、日本列島も縦に長いよなあ。
◆ああやっぱりというのが、カステラの購入が1位の長崎市や、かつお1位の高知市、牡蠣1位の広島市にシューマイ1位の横浜市といったところかな。むろん、揚げ蒲鉾(さつま揚げ)1位の鹿児島市や、梅干し1位の和歌山市、ぶどう1位の甲府市なんかも順当だね。たらこ1位の北九州市に2位の福岡市なんてのは、やっぱり辛子明太子が大好きな土地柄をよく表しておるわな。え、うどんの1位は? 答えなくても高松市に決まっておるじゃろうが。
逆に、へえ〜なんで?という代表例が、油揚げ・がんもどき1位の福井市かな。これだけだと因果関係がよく分からないが、2位金沢市に、以下、京都市、奈良市と続くと、ああそうかと思えてくるわな。福井(越前)や金沢(加賀)は伝統的な浄土真宗王国だし、京都・奈良とくれば日本の古都。つまりお寺さんやその信徒の数が多いから、必然的に精進料理がよく食べられるってことじゃないの。また、鰹節・削り節の1位が独走状態で那覇市というのも意外や意外じゃが、これも沖縄が江戸時代以来、わが国の鰹節の中国向け輸出の基地だったってことが分かれば、なるほどと頷けるわなあ。知らなかったろう、キミも?
◆こうやって見ると、その土地の人々の食の嗜好と歴史・風土とは、切っても切れない間柄ってことがよく分かるね。羊羹の購入額1位に佐賀市と聞くとわけが分からんが、ここが江戸期には長崎から輸入された砂糖が東上した長崎街道の通り道だといえば、理解しやすいね。長崎街道は、別名“シュガーロード”と呼ばれておるが、そういや北部九州は昔から甘いお菓子の宝庫だもんな。
そんなわけで総務省の統計データも、その裏に隠された背景なんかをあれこれ想像すれば、けっこう見ているだけで楽しめる。どんな結果にも、必ずそうなった理由てえものがあるはずじゃからな。キミもいっぺん、調べてみれば? なに、じゃあわしのビールの購入額がご近所で一番なのは、どういうわけだ? よく知ってるね〜。それはもちろんわしが誰よりビールに目がないのとな、もう一つは酒屋の娘さんが評判の美人だからじゃよ。文句ある?
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