その108.スペクタクルな男たち(2005.12.7)
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◆スゲ〜〜ッ! 風のように来て風のように去る、とはまさにこのことじゃね。とにかく、あっという間だもんなあ。なに、お前の財布の中身の話かって? 余計なことはいわんでよろしい。わしが感心しているのは、一人のサッカー選手のこと。そう、FCバルセロナのロナウジーニョのことじゃよ。とにかくいま絶好調のこの男、敵のディフェンダーをまるで子供扱いして難なく突破、魔法のようにゴールを決めるからすごいよなあ。速い・うまい・面白いと三拍子揃った上に、顔も愛敬があると来ているから、見ている方もつい惹き込まれてしまう。スペクタクル・サッカーの申し子のような存在、といっても過言ではないわな。
2005年の欧州年間最優秀選手(バロンドール)にも選ばれたばかりじゃが、現在、彼が世界でもっとも旬な選手であるのは間違いないね。来年のドイツW杯でブラジル代表の一員に選ばれるのは確実で、あの前歯とポニーテールをトレードマークに、そこでどんな活躍を見せてくれるのか、いまから楽しみじゃな。
◆そういえば、今年のJリーグの優勝争いも最後に盛り上がったわい。何といっても、最終節を残してセレッソ大阪、ガンバ大阪、鹿島アントラーズ、浦和レッズ、ジェフ千葉の5チームに優勝の可能性ありというから、空前絶後の大混戦じゃな。競馬でいえば最後の直線で騎手が必死に鞭を叩き合い、5頭の馬が一団となってゴールに殺到という感じだったね。今年から1シーズン制になって、はたして盛り上がるのかいなと心配しておったが、まったく杞憂に終わったな。最終戦はNHKが五元中継で各球場を結んで放送しておったが、点が入るたびに刻々と順位が入れ替わる展開は、これまたスペクタクルでホント胸がドキドキしたよ。
しかし、残念だったのはセレッソ大阪。勝ったと思ったのにロスタイム寸前に同点に追いつかれ、九分九厘わが物にした優勝という掌中の珠を、最後の最後でポロリと落としてしまったな。まさに“長居の悲劇”。サッカーの怖さをまざまざと見せつけられた思いじゃが、無念そうなモリシの表情がわしはいまでも忘れられんよ。泣くなモリシ、来年こそは三度目の正直じゃ!
◆代わって栄冠を掴んだのがセレッソのライバル、ガンバ大阪じゃったね。こちらは一時、2位に差を付けて独走状態。優勝絶対間違いナシと思われたのに、プレッシャーに弱い伝統を発揮し、最後はもうバテバテの連敗で、この大混戦の原因を作ってしまった。幸い、セレッソが落とした珠がふたたび懐に転がり込んで、ラッキーな初優勝と相成ったが、まあ、苦しみ抜いた末に神様がご褒美をくれたってことかもな。西野監督をはじめ宮本や大黒などが流した歓喜の涙は、この苦しみの大きさを物語っておったよ。
それにしても“サッカー不毛の地”大阪の二つのクラブが、最後まで優勝を争う展開になるとは、誰も予想だにしてなかったんじゃないかい。これによって両クラブの観客動員も大きく伸びたそうだし、関東中心だったサッカー界勢力図にも今後、大きな変化が訪れそうな予感がするね。阪神タイガースしか知らなかった大阪人に、サッカーというスポーツの存在を知らしめた点では、今年のJリーグの盛り上がりは画期的だったといえるかも知れんな。え、サッカーくらい知ってた。花園にも行ったことがある? ほんまかいな?
◆その反面、かつて“常勝軍団”を誇った東京ヴェルディが2部降格だから、栄枯盛衰世の習いとはいえ寂しいもの。カズ、ラモス、武田、北澤に柱谷など日本代表をゴロゴロ抱え、タイトルを総なめしていた頃のヴェルディを知る者にとっては、まさに隔世の感ありじゃな。これは、同じ降格組のヴィッセル神戸にも言えることじゃが、親会社・フロントの熱のなさや方針のブレが、そのまま成績に表れたような気がするね。やる気や戦略のないクラブは、例えかつての名横綱であろうともたちまち十両落ちしてしまうのが、プロサッカーの厳しさ。ここがプロ野球と決定的に違うところじゃな。
その代わり来年から1部に上がるのが、共に2部落ちを経験した京都パープルサンガとアビスパ福岡。地獄からの生還を果たした両クラブは、組織もメンバーも生まれ変わってのJ1再挑戦じゃ。まあ、怪我や気の緩みで十両に落ちた力士が、自分の弱点を知り心身を鍛え直して幕内復帰するのも、長い勝負人生からみれば良い経験かも知れんて。京都や福岡は1部での優勝を目指し、ヴェルディや神戸は一年で復帰できるよう、褌を締め直して頑張って欲しいもんじゃね。そんなわけで、わしも斯界の大横綱への道を歩むべく、今夜はキムチ入りちゃんこでも作って食うかなあ!
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