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その11.石炭にサヨナラを言わないで(2000.2.2)
さて、今日は前回のルンペンストーブに続き、石炭の話をいたそうかな。近頃の子供は、石炭の現物をを見たことがないそうだね。関東近辺だと、昔は常磐炭坑が有名じゃったが、いまではなんとハワイアンセンターに様変わりだ。そこに昔の炭坑の様子を再現した資料館があり、わかりやすく解説しているので、一度家族で足を運ぶのも一計じゃよ。
ところで、そこのみやげもの売り場で、石炭ストーブを使っていた世代には想像を絶するものを売っているんだな、これが。なんだと思う? 木の台の上に鎮座した黒い石炭に、金の文字で「根性」「努力」「勤勉」などと書いてある置き物じゃ。石炭本来の使い方ではないが、修学旅行の中・高生などが結構買って行くそうだ。ま、石炭についての基本的な事だけでも、若い人たちに知っておいてもらいたいね。
日本書紀の中に「燃ユル土」という記述がある(670頃)ので、これがどうも石炭のことらしい。地球上における推定埋蔵量は石油より多く、資源に乏しい我が国でも、200億トンに達すると言われている。世界の歴史を見ても、18世紀からの産業革命の原動力も、この石炭だったんじゃ。
しかし、やっかいな問題もあったな。石炭を掘り出すときの、危険度の高さと人件費の高騰。石炭ストーブに石炭を入れるまでに、石炭置き場から石炭バケツ、石炭バケツからストーブ、と手間がかかりすぎる。それに、石炭灰の始末が厄介もの。また、煙突の掃除も必要。決定的なのはゴホンゴホン、大気の汚染じゃった。残念ながらこんな理由が重なり、需要が大きく減ってしまったんだな。しかし、つい30年前まで石炭は、家庭、学校、職場で大活躍していたんだよ。
みんなには、いま暮らしている地面の下に、いざとなれば熱エネルギーとして使用できる、30億年眠り続けている石炭という化石燃料があることを、憶えておいて欲しいんじゃ。きっと、いつの日かもう一度、役に立つ時がくるはずじゃよ。この私のようにな、うん。トホホホ・・・。
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