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その16.ゾウさん、ゾウもすみません(2000.3.22)
このところ肌寒い日が続いたせいか、すっかりわしも出不精になってしまったなあ。それで、運動不足のお陰でちょっとばかりおなかの周りに、贅肉がついてしまった。まあ、食欲だけはちっとも変わらないから、当然と言えば当然なんだけどね。このまま肥り続けて、コニシキみたいな腹になったらどうしよう。いかんいかん、明日から少しウォーキングでも始めるか。コニシキもダイエットをすると言う話だし・・・。
コニシキと言えば、相撲界で彼が若くてモリモリ勢いのあった頃、象が人間に勝つのは当たり前、と言った老学者がいたね。努力した本人にも、相撲という奥深いスポーツに対しても、失礼な話だね。大きいだけじゃ勝てないことは、どんなスポーツにも共通した原則じゃよ。象だってそう言ってるよ、きっと。ゾウなんです、さぶっ・・・。
しかし、象が現在生きている中で最大の陸上動物だと言うことは、間違いのない事実だな。なかでもアフリカゾウのオスはでかいよ。1955年にアンゴラで殺された個体は、体重10トン、肩高4メートルで、いまはスミソニアン博物館に剥製になって展示されておる。一度観てみたいものだ。アフリカゾウよりやや小型で、性格がおとなしいのがアジアゾウ。こちらは家畜として順応性があるため、インドではいまでも経済上や文化の象徴としてたいせつな動物なんじゃ。サーカスなどで芸をするのは、だいたいこのアジアゾウの方だね。
わが国に生きた象が初めて渡来したのは、応永15年(1408)のことだった。その後も象は渡来しておるが、江戸に初お目見えしたのは享保14年(1729)のこと。この象は前年、中国の広南から長崎に運ばれてきたもので、7歳と5歳のオスじゃったな。7歳の方は体長約3.3メートル、体高は1.5メートルあったそうな。この象を一目見たがったのが、暴れん坊将軍の吉宗公。長崎奉行は、大急ぎで江戸に送ったんじゃ。長崎を3月13日に出発し、江戸に無事到着したのが5月25日のこと。途中、街道沿いの人々は、
この巨大で超不思議な動物を、土下座して送ったとか。きっと目をまん丸くしたんじゃろうね。江戸城内では吉宗公と諸大名が、めでたく象とご対面と相成ったな。よかったよかった。
現在では、象牙を目当ての密猟により、象の個体数は大きく減ってしまった。そのため、ワシントン条約によりきびしく保護されておるわけだ。いくら体が大きくても、鉄砲の弾には勝てないよなあ、象も。人間って、地球上でいちばん怖い動物だね。ゾウもすみません、またまたさぶっ・・・。
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