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その17.春だ、野球だ、日本人だーっ(2000.3.30)
いよいよ百花斉放の4月じゃが、心なしか胸の騒ぐ日々を送っている人も多いことだろうね。なに、心筋梗塞? 違う違う、野球じゃよ野球。プロ野球が始まる頃だってえの。
今年はセリーグが3月31日、パリーグが4月1日に開幕を迎えるな。ちなみにサッカーのJリーグは一足先にスタートしておるね。日本中が熱くなる季節が、花粉と共にやって来たという感じじゃよ、ハクション。ちなみにわしの贔屓はプロ野球ならスワローズ、サッカーならサガン鳥栖なんだがね。なに、妙な取り合わせ? 大きなお世話じゃ、ほっといてくれ。まあ、金の力で他チームのスター選手をかき集めて、優勝しようとする球団だけは許せんのだね、わし。え、君もそうか、そりゃあ嬉しい。
しかし世界中で日本ほど、野球が突出した人気を誇っている国はないじゃろうよ。アメリカのメジャーリーグだって、同国の4大スポーツ(他にアメリカンフットボール、バスケットボール、アイスホッケー)の一つに過ぎない。そこに行くと、わが国の野球はまさに国民的スポーツだね。これで高校野球でも始まった日には、新聞のスポーツ欄なんか野球一色だもんなあ。2年後にはサッカーのワールドカップがわが国で開催されるが、ひょっとすると民放某局では、試合結果を「プロ野球ニュース」の中で紹介する、てなことになるかも知れないよ。世界的に見れば、珍妙なことだろうね。
アメリカから野球が初めて日本に紹介されたのは、明治初期のことじゃったな。それが、瞬く間にわが国全土を席巻する人気スポーツになったのは、やはり日本人の琴線に触れる要素があったからなんだろうね。たとえば、投手と打者が長い間(ま)をおいて1対1で対決するところが、相撲の仕切りに似ているとか。他にも、監督や先輩への絶対服従や集団の和の尊重、血の出るような猛練習、自己犠牲による味方の進塁などなど。日本人の好きな武道の精神と野球が、ぴったりマッチしちゃったんだなあ。
明治29年(1896)、一高の野球部と横浜のアメリカ人チームとの間で、史上初の日米対抗試合が行われた。結果は29対4で日本の圧勝。お陰で、野球人気は一気に全国に燃え広がったね。巨漢のアメリカ人に小さな日本人が勝った、というわけだ。もっとも、鍛錬を重ねて「試合」にのぞんだ一高チームに対し、あちらさんはただ「ゲーム」を楽しんだだけだったのかも知れないがね。
ともあれわが国の野球人気は、いまや全盛期を迎えておる。しかし、地球的な規模の組織と人気を誇るサッカーに比べれば、野球はほんのマイナースポーツ。世界中が「ケットバセー」と燃えている中で、ひとり「カットバセー」を叫んでいる日本人って、やっぱり変な民族なんじゃろうかの。ところでわし、若松監督の胴上げが今年見られるかどうか、それだけが不安なんじゃねえ・・・。
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