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その24.サメた眼をした南の海の凄い奴(2000.7.11)
うーみーは広いな大きーいーなー、か。やって来たね、夏が。この夏休み、今頃からどこか南方の海へ遊びに行く計画を立てている人も、多いことじゃろう。羨ましいねえ。わしなんかどこに行く計画もないし、海といえば舞の海くらいしか思い浮かばないのが悔しいね。おっと、土佐ノ海もいたな。なに、ふざけるな? すみません。
しかし、透き通るような南の海で泳ぐのもいいが、こわいのはあれじゃ、ジョーズ。いやいや、別に君の泳ぎを誉めてるんじゃないの。あぶないのはサメだってこと。映画「ジョーズ」に出てきた大ザメはホオジロザメじゃったが、あの歯は凄かった。なにしろ、人間がひとくちでガブリだったもんなあ。このホオジロザメみたいに捕食性のサメの歯は大きく、カミソリの刃のように鋭い。種類によって違うが、サメは口の中にいつも6から20列の歯を持ち、ときには総数で3000本の歯があるんじゃ、ひえ〜。しかも、歯が割れたりすり減ったりすると、代わりの歯がすぐにニュッと生えてくる。サメはこうして歯を2、3日ごとに交換することが出来るんだ。だいたい1尾のサメは一生に2万本以上の歯を使う、と考えられておる。ああ、わしの歯もそうだったら、歯医者いらずなのにな。
もっとも、サメといってもすべてのサメが人食いザメというわけじゃないよ。人間を襲ったりするのは、すべての種類のうち10分の1以下だと言われておる。一番大きなジンベイザメは、体長15メートル以上、体重は18トン以上もあるが、きわめて大人しい。何百本も生えた歯は使わず、プランクトンのような小さな生物をろ過して食べる、優しい奴なんじゃ。なんだか、アンパンが好きだったジャイアント馬場さんを思い出すね。現在分かっている一番小さなサメは、ツラヤガコビトザメで、なんと成長しても10〜15センチ程度しかない。目刺しみたいなもんじゃな。
まあ、サメに襲われて命を落とす人の数は、じっさいには非常に少ない。それに引き替え人間は毎年、何十万、何百万という数のサメを殺しておる。サメの肉は料理の材料としても美味でな、世界中で食されている。白身のフライはうまいし、中華料理のフカヒレは高級料理じゃ。日本では昔から刀の柄にその皮を使ったり、ワサビをおろすときなどにも使うね。またサメ皮の靴は普通の皮のものより、4倍は長持ちするそうじゃ。スポーツとしてのサメ狩りもあるそうじゃよ。こう考えると、サメより人間の方がうんと危険な動物かもね。どうする?
4億年以上も昔から地球の海を泳いできたサメは、まさに驚異の生物じゃ。これは地上を恐竜が歩き始めた時代より、2億年も古い。しかもその姿は、何百万年もの間ほとんど変わらないんじゃ。生きている化石、と言っても良いじゃろう。おそらくこれは、サメが初期の頃から食べ物を捕食する上で、高度に発達した肉体と機能を備えていたからだろうね。怖い怖いと思っていたサメじゃが、こうしてみると色んな顔を持った、奥の深い魚なんじゃな。なに、君もこれで少しは目がサメた? こいつはシャークだったね。
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