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その26.江戸時代なら一匹七両!(2000.8.11)
空気が茹だっておるねー。立秋も過ぎたというのに、今年の暑さはますます盛んじゃ。さすがのわしも夏バテ気味だが、食欲だけは旺盛というのが困る。外に出ないくせに飯だけは食うから、運動不足でまた腹が出てきたな。ああベルトが苦しい。
この季節、見ていてホッとするのが水槽の金魚じゃ。これ、縁日の金魚すくいですくってきた安物なんだが、水の中でフワフワと涼しげに泳ぐ様子は、館長室を和ませてくれるよ。ほんと、金魚と言う呼び名がぴったりする魚じゃね。英語で言えばゴールドフィッシュ。まあ、エサだけはよう食うけどな。なに、わしと同じ? そう言えば腹の出方が似てきたかな。
「きんぎょー、エーきんぎょー」なんて金魚屋さんの売り声も、いまじゃ落語の中のものになっちまったね。夏の風物詩という言葉がぴったりじゃが、金魚が庶民の手に届くようになったのは明治以降のことなんじゃ。もともと金魚は中国が原産。紀元350年には赤い色の金魚の記述があり、唐の時代(650年頃)には金魚の形をした記章が高級官吏のシンボルだったとか。わが国には室町時代に輸入された記録もあるが、普及したのは江戸時代のことじゃった。ただし、当時は値が高かったね。井原西鶴の「西鶴置土産」には、金魚一匹が七両の記述もある。目の玉が飛び出るとはこのことじゃ。これじゃあ人間が出目金になっちまうね、ギョッ。
現在ポピュラーなのは、フナに似たワキンやひれが長く丈夫なリュウキン。黒くて愛嬌のあるのがクロデメキン。変わったところで、頭部にこぶがあるオランダシシガシラ、背ビレのないのがランチュウ。他にも多数の品種が作り出されておる。インターネットで調べても、金魚マニアのホームページは実に多い。水槽の中を舞うような優美な色や形は、よっぽど人間にとって魅力的なんだね。
金魚はすぐに大きくなるので、なるべく大きめの水槽で飼いたいもの。それと詰め込みすぎも良くないよ。君も満員電車はいやじゃろう。エサをやる場合は1日に2〜3回、口の大きさに合わせたものを、食べ残しが出ない程度にやること。残ったエサは水質を悪化させる元になる。もし、水質が悪くなったような場合は、すぐに取り替えた方が良いな。水が濁ったり、金魚が水面近くで口をパクパクさせているときは、要注意。ただし水道水は塩素消毒してあるので、汲み置きしたものに限るよ。これ常識じゃ。
金魚は上手に飼えば、長生きするもの。水温や水質、病気などに気を付けて飼ってやれば、鳴き声も臭いもない理想的なペットになる。さあ、わしもそろそろうちのキンちゃんにエサでもやるかな。え、君もエサが欲しい? 大丈夫、エサなしでも君なら長生きするって。
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