その46.キミの背広は格好いい?(2001.6.7)

関東地方も梅雨入りしてユーウツな空模様じゃが、シトシトジメジメいやな季節だね。カビは生えるし洗濯物は乾かないし。おまけに、時には洪水などを引き起こすし。で、心配なのはほぼ1年後に迫ったサッカーのW杯じゃ。降り続く雨でグラウンドの状態が悪くなると、パスサッカーが得意な日本チームは不利というもの。でかい体やパワーで外国チームにガンガン来られると、太刀打ちできないよなーまったく。来年は空梅雨にしてくれんかな、雨の神様も。え、いまから心配してもしょうがない? まあ、そうなんだけどさ。
 
しかし、サッカーの監督も試合中、選手に指示を出すたびに雨の中に飛び出すわけだから、ぐしょ濡れになっちまうね。日本代表のトルシエ監督を始め、柏レイソルの西野監督、ベガルタ仙台の清水監督など、背広にこだわるお洒落な監督も多いから、雨の日の試合は見てる方も気になるわな。もっとも、監督が選手と同じユニフォームを着るわけにも行かん。濡れた背広が、また格好いいとこかも知れんて。だいいち、監督が選手と同じユニフォームを着るスポーツって、野球とソフトボールくらいのもんじゃないの? はっきり言って、あれは変じゃよ。プロ野球の老人監督たちが、緩んだ体に選手と同じユニフォームを身につけてる姿は、冷静に見れば滑稽としか言いようがない。ユニフォームはやはり選手のものじゃ。思えば、アトランタオリンピックのソフトボール日本チームの監督は男だったが、女子選手と同じ赤いユニフォームを着ていたな。さすがに短パンじゃなかったけど(ゲッ)、あれはちょっと可哀想だよ。背広の方が、ずっとスッキリするのになあ。
 
ところで、「背広」の語源をキミ知ってるかな?  有力なのが、スーツの本場イギリスはロンドンの 「Savile Row(サビル・ロー/サビル街)」に、腕利きの仕立て屋が集まっていたため、「サビル・ロー」がなまって「セビロ(背広)」となったと言う説じゃ。他にも、モーニングコートの背幅が狭いのに対して広いから、と言う仕立て職人の慣用語説や、英語の「Civil Clothes(シビル・クローズ/市民服)」から来たという説もあるぞ。やっぱり、紳士の国イギリス生まれどうし、サッカーと背広は関わりが深いんじゃね。なに、たまにはお前も着たらどうだ? いやー、わし首が短いもんで、どうも似合わんのじゃよ。舌は長いけどね。
 
背広が世界的に普及したのは、19世紀末から20世紀初めにかけてアメリカのビジネスマンが、ビジネスウェアとして着用したのが始めとか。いまではフォーマルな男性の衣服として、広く定着しておる。中には、休みの日にも背広を着ている日本のオトーサンもいるね。ま、ノーネクタイだけどさ。そんなオトーサンもびっくりなのが、背広が季節により伸び縮みしているという事実。湿度の少ない冬などに比べ湿気ムンムンの梅雨時や真夏などは、その伸縮差は2センチ近くにもなるのだとか。へえー、背広って生きてるんだね。手入れが悪かったり下手なクリーニングに出したりすると、キミの大事な一張羅も形がくずれてしまうぞ。そうならないよう、気を付けような。
 
馬子にも衣装というが、たいていの男は背広を着てネクタイを締めれば、いちおうは様になるもんじゃ。色も紺、黒、グレーとだいたい系統が決まっておる。ある意味、着る物の悩みから解放される分、慣れてしまえば楽かも知れない。が反面、そればっかりだと没個性にもつながるね。特に、他人と同じ格好をして安心したがる日本人サラリーマンは要注意じゃ。人間の体や性格は千差万別。自分にあったお洒落を心掛けたいものじゃな。
 え、キミは真っ赤な色の背広がほしい? いいけど、それクリスマスまでとっときなさい。