その49.そばソーメンをお試しあれ!(2001.7.20)

も〜けっこう、何とかしてくれって感じの今年の暑さじゃね。これじゃあ鳴いてるセミも、熱射病でダウンするんじゃないの。まあ、そんなセミ見たことないけど。で、こう暑いとやっぱり、何か気分が涼しくなる食べ物が欲しくなるな。おまけに安くて満腹感があってさ。と言うわけで実は最近、気に入ってるメニューがあるんじゃ。もちろん、わしのオリジナル創作料理でな、その名は「そばソーメン」。なに、どうせそばとソーメンを交互に食うんだろうって? 甘いなあ。わしの創造力はそんなもんじゃないよ。そばとソーメンを一緒に茹でてよく混ぜ、水で洗ってざるに盛る。そばの薄茶色とソーメンの白い色がざるの上で混じり合い、ピンク色に見えるからあら不思議。これを薬味を効かせたそばつゆで、ツルッと食べるわけ。な、夏らしい優雅で涼しい食べ物じゃろ?

元はと言えばこのアイディア、一束100gのそばを茹でようとしてふと思いついたわけ。100gだとちと物足りないが、かといって二束だと多すぎる。ああ、あと50gあればと考えたとき、そこにソーメンがあったんじゃね。ソーメンなら50gで一束。両方を混ぜれば150gで満腹になる上、二つの味が楽しめる。一緒に茹でれば手間も掛からないしな。どうじゃコロンブスの卵じゃろ、これ。ただし、茹で方がちょっと難しい。まず熱湯にそばを入れ、茹で上がるちょっと前にソーメンを入れる。このタイミングが肝心じゃな。両方うまく茹でられるようになれば、キミももう一人前の“そばソーメンマン”だ。ただし言っとくが、入れる順序を間違えないようにな。ソーメンを先にそばを後に入れたりしたら、後はどうなっても知らないよ。

そばは漢字で「蕎麦」と書くが、麦とは関係のないタデ科そば属の植物。これ、われわれがよく口にする穀物の多くがイネ科やマメ科に属するのに対して、異色の存在と言えるね。そば粉は実の中心部から順に1番粉・2番粉・3番粉と製粉され、表層に近づくにつれ色が濃くなり栄養分も増えていく。実を丸ごと挽いた挽きぐるみは、良質のタンパク質を含んでおる。また、ビタミンB1・B2や、毛細血管の働きを助けるルチンも多い。食物繊維だって白米の2.5倍も含むんじゃ。それに、そば粉100%の十割そばや、そば粉と小麦粉の比率が8対2の二八そば、つなぎに山芋を入れたものなど、そばの味や香りは色々と楽しめる。何たって、あの喉ごしの手応えは他に比べるものがないよ。

そこへ行くと、ソーメンの一番の魅力は細さと色の白さじゃな。ソーメンは腰の強い小麦粉を塩水でよくこねて伸ばしたもので、日本のめん類の中ではもっとも細い。その秘密は、植物油をぬりながらのばして作るためで、機械製麺で丸棒状の場合は直径が0.8〜1.3mm、手延べの場合は直径1.3mm以下と言う細さ。作りたてよりも、2〜3年寝かしたものの方が美味いと言われるが、寝かしているうちに油が抜けてすっきりした味になるそうな。よく似たものに冷や麦があるが、こちらはうどんと同じようにこねた生地を細く切ったもので、油は使わない。だから、ソーメンよりはちょっと太いわけじゃね。そばと違いソーメンの特徴は、いろんな料理に使えること。スープに入れてよし、中華風に炒めてよし、サラダ風にしてもよし。あなた色に染まりますってわけだ。なに、ソーメンの餃子? それはやめた方が良いんじゃないの。

そばは、小麦粉に不足するリジンと白米に少ないトリプトファンという、必須アミノ酸に富んでいる。逆に小麦粉は、そばに不足するメチオニンとシスチンを多く含んでおる。どうじゃ、両方をうまく採ることは、健康の上でも理にかなってるわけじゃ。分かったらキミも、さっそくそばソーメンを試してみてはどうじゃな。え、オレは「そばゲッティ」がいい? 勝手にしたら。