大正6年頃に製作
幅390/奥行427/高さ433/ミリ
佐藤暖房機株式会社

当時の佐藤商店では、最良のストーブを造るため、念入りな燃焼テストが行われた。石炭の燃え方や煙の勢い、給炭時の粉塵など、佐藤松市らは汗まみれになりながら検査を繰り返した。テストが終わる頃にはいつも全員の顔が煤で真っ黒になった、という逸話が残っている。
そんなテストの必需品だったのが、この石炭運搬用具。番頭の上田梅次の手製によるものだ。当時、重い石炭を山積みにしては工場の中を走り回った上田は、晩年、倉庫に入るたびにこの容器を懐かしそうに撫でていたと言う。



10.石炭の運搬用具