炉は、縄文や弥生時代の住居跡にもすでに見られ、煮炊きなどの炊事や暖房の道具として、また照明の役割も果たすなど、生活の中で重要な機能を担っていました。縄文時代の炉は、床を浅く掘り込んだだけの地床炉、その周りを石で囲う石囲炉、地床炉の中に甕を埋めた埋甕炉などの形式があり、さらにそれらの複合型の炉も発見されています。弥生時代になると、地床炉のみになります。 ただし、時代や東西の地域差により、内部に炉を持たない住居跡も多く、炊事は必ずしも屋内で行われたわけではなかったようです。 かつては囲炉裏のある家では、食事の時は自在かぎに煮物の入った鍋を掛け、家族で囲んだものでした。食事が終われば鉄瓶で湯を沸かし、炉端でくつろぐのが常でした。お爺さんの昔話に孫たちがじっと聞き入る。そばで微笑みながら、夜なべ仕事をする父と母・・・今では何とも羨ましい、家族団らんの光景ですね。 燃料の木や枝は、途切れることのないよう絶えず用意されていました。火の管理はおもに主婦の仕事で、火種は囲炉裏の灰に埋められ維持されました。 また、囲炉裏から出る煙は家の中を漂った後、天井やつまの煙出しから抜ける様に出来ていますが、それが屋根材の藁・竹や梁などを黒く煤けさせ、結果として虫除けの効果を生んでいるのです。古い民家の黒い輝きは美しいだけでなく、実用の効果もあるんですね。 |
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